1．ロケ地探し

予算を踏まえながら、映像のイメージに合ったロケ地を探します。なかなかイメージに合った場所が見つからない場合は、ロケ地の検索サイトを活用したり、予算に余裕があればロケコーディネーターに依頼したりする方法があります。ロケ撮影は天候に左右されやすく、悪天候によって撮影が延期となるケースも少なくありません。その場合、延泊費用が発生することも考慮しておきましょう。

2．ロケハン

「ロケーション・ハンティング」の略語で、ロケ地を前もって下見することです。ロケハンには、場所選びを目的とした制作スタッフで行う「プレロケハン」、ロケ地の目星をつけてからディレクターやカメラマン、音声などの技術チームで行う「スタッフロケハン」があります。

ロケハンでは、「映像のイメージに合っていること」「安全に撮影ができること」を確認することになります。具体的なチェックポイントは次のとおりです。

＜映像イメージ＞

• 被写体の背景
• 撮影するアングル
• 光の入り方
• 撮影に適した時間

＜安全性＞

• 駐車場の有無
• 必要な機材
• 機材の搬入方法と保管場所
• 撮影許可申請の有無
• 交通誘導警備の要否
• 養生の可否
• 肖像権や著作権を侵害するリスク
• トイレやコンビニの有無

3．撮影準備

ロケ地が決まったら、撮影に向けて必要な準備を行います。準備をしっかりと行うことで撮影がスムーズに進み、イメージに合った時間帯での撮影ができます。準備は入念に行いましょう。主な準備項目にはカメラや照明、音響などの機材の確認、撮影場所の許可申請、ロケ地の情報収集、ケータリングなどがあります。機材・備品のレンタルや購入などが必要な場合、届くまでにある程度の日数を要するケースもあるため、早めに確認しておくと安心です。
また、ロケスケ（ロケスケジュール）や香盤表といったスケジュール表を作成します。ロケスケにはロケ地、撮影時間、撮影内容などを記載し、香盤表には撮影の流れやキャストの出入り時間、必要となる機材・備品などが記載されています。

4．撮影当日

シナリオに基づいて撮影が行われます。屋外での撮影は予期せぬトラブルが起こることもあるため、臨機応変な対応が求められます。例えば、悪天候により撮影が中止または延期になる場合も少なくありません。そのような事態を想定し、撮影の予備日を設定することもポイントです。また、ロケ地によってはキャンセル料が発生する可能性もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

5．原状復帰を行う

ロケ撮影では物を移動させたり、養生したりすることも多いです。撮影が終わったら元の位置に戻す、ゴミを片付ける、きれいに掃除するなど、原状復帰を行いましょう。最初の状態がわからなくならないように、写真で記録しておくと安心です。管轄所や場所を提供してくれた方へ撮影が終了したこと、そして丁寧なお礼を伝えて撮影は完了です。

上記は一般的な流れであり、希望や条件などによって変わってきます。

ロケ撮影はスタジオ撮影と大きく環境が異なっており、状況に合わせた技術や対応などが必要です。そのため、ロケ撮影を希望する際は実績豊富な映像制作会社に依頼することをおすすめします。